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第3章 吉野と一葉

初めてシオリ先生を見た時の、男子生徒の反応は凄まじいものだった。
可憐な容姿に相まって、おしとやかで女性らしい仕草は同性の私にも魅力的に映った。
憧れの女性像そのものだと、シオリ先生を目にする度に思っていた。
だから、先輩がシオリ先生を目で追ってしまうのは無理もない事なのかもしれない。

そして偶然目撃してしまった二人の睦事に、酷くショックを受けたとの同時に不思議と納得している自分がいた。
仮に二人が恋人同士だったとしても、違和感なんてまるでない。
先輩の隣で微笑むシオリ先生を想像すると、妙にしっくりと来る程二人は釣り合いが取れているように思える。
実際恋人なのかどうかはわからないけれど、それに近い関係である事はおそらく間違いないだろう。

「何で、あいつの名前が出て来るわけ」