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intimidation love
第3章 吉野と一葉

窓から差し込む夕日の眩しさに、重たい瞼をゆっくりと開いた。
家に着き一息ついていた途中で、どうやら眠ってしまったらしい。
寝ぼけ眼で時間を確認し、すぐに慌てて飛び起きる。
時計は既に六時半を回っていた。
急いで部屋の灯をつけ夕飯の支度に取り掛かろうとした時、ちょうど玄関先から扉の開く音が聞こえて来た。
「おかえり」
「ん」
愛想のない返事はいつもの事なので、気にする事はない。
仕事から帰って来たらまず、リビングの先にあるベランダで一服するのが彼の日課だ。
五分程ってから室内へと戻って来た彼に、声を掛ける。
「ごめんハル君、夕飯もう少し待ってくれる?ついさっきまでうたた寝しちゃって」
「飯は後でいいから…ヨシノ、ちょっとこっち来い」
「何?」
「いいから、こっち来て座れ」
ソファに腰を下ろしたハル君が、私に手招きをする。
何だろうと思いながら、一旦手を止めキッチンを出る。私はハル君のすぐ隣に座り、どこか不機嫌そうな彼の顔を見上げた。
「おまえに聞きたい事がある」
「…聞きたい事?」
何となく、嫌な予感がした。
「廊下歩いてる時、たまたまおまえと同じ組の生徒達が大きな声で話してるの聞こえた」
まさか、学校だけでなく家に着いてからも頭を抱える羽目になるとは思わなかった。
一体、今日だけで何度目だろうか。
「あの有名な三年のエロガキ…あいつが、昼休みに教室に来たとかどうとか」
ハル君が指しているのは間違いなく先輩の事だ。
出来れば耳に入って欲しくはなかったが、校内で先輩を知らない人間なんてほぼ皆無だろう。
「その時何でかおまえの名前が出て来た」
「………」
「二人で仲良く教室出てった…って」
眼鏡の奥の鋭い眼差しから微かな怒りを感じ取り、無意識に体が縮こまる。
家に着き一息ついていた途中で、どうやら眠ってしまったらしい。
寝ぼけ眼で時間を確認し、すぐに慌てて飛び起きる。
時計は既に六時半を回っていた。
急いで部屋の灯をつけ夕飯の支度に取り掛かろうとした時、ちょうど玄関先から扉の開く音が聞こえて来た。
「おかえり」
「ん」
愛想のない返事はいつもの事なので、気にする事はない。
仕事から帰って来たらまず、リビングの先にあるベランダで一服するのが彼の日課だ。
五分程ってから室内へと戻って来た彼に、声を掛ける。
「ごめんハル君、夕飯もう少し待ってくれる?ついさっきまでうたた寝しちゃって」
「飯は後でいいから…ヨシノ、ちょっとこっち来い」
「何?」
「いいから、こっち来て座れ」
ソファに腰を下ろしたハル君が、私に手招きをする。
何だろうと思いながら、一旦手を止めキッチンを出る。私はハル君のすぐ隣に座り、どこか不機嫌そうな彼の顔を見上げた。
「おまえに聞きたい事がある」
「…聞きたい事?」
何となく、嫌な予感がした。
「廊下歩いてる時、たまたまおまえと同じ組の生徒達が大きな声で話してるの聞こえた」
まさか、学校だけでなく家に着いてからも頭を抱える羽目になるとは思わなかった。
一体、今日だけで何度目だろうか。
「あの有名な三年のエロガキ…あいつが、昼休みに教室に来たとかどうとか」
ハル君が指しているのは間違いなく先輩の事だ。
出来れば耳に入って欲しくはなかったが、校内で先輩を知らない人間なんてほぼ皆無だろう。
「その時何でかおまえの名前が出て来た」
「………」
「二人で仲良く教室出てった…って」
眼鏡の奥の鋭い眼差しから微かな怒りを感じ取り、無意識に体が縮こまる。

