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intimidation love
第1章 恋は盲目
ブレザーのポケットからスマホを取り出し、先輩に画面が見えるよう差し出した。

「何?」

「見ればわかります」

不思議そうに画面を覗き込んだ先輩の手がスマホに伸びて来て、私はすかさず腕を引っ込めた。

先輩の表情は、特に変わらない。
焦っている風でも、怒っている風でもない。

「君さあ、覗き趣味でもあるの?」

「…たまたま見掛けただけです」

「それにしても他人のセックスシーンを撮影するなんて、随分と悪趣味じゃない?」

恥ずかしげもなく、平然とした顔で先輩は言う。
私だって、好きで撮ったわけじゃない。
出来れば、あんな場面なんて見たくなかった。

だけど先輩の良くない噂はとっくに耳に届いていた。
女関係には節操がなく、まさに入れ食い状態であるのだと。
先輩の事を、色んな意味で歩く18禁男だと生徒達が囁いているのを聞いた事もある。
その事実を目の当たりにした時の私は、酷く衝撃を受けた。

「いくら誰も居ないからって、教室でする先輩に悪趣味とか言われたくありませんよ」

「そう?結構スリルあって楽しいけどね。君も一度やってみればわかるよ」

まるで開き直ったかのような先輩の態度には正直面を食らったが、私もここで怯むつもりはない。

「そんな悠長な事言ってていいんですか?相手、教育実習生のシオリ先生ですよね」

私がそう告げると、先輩の目付きが明らかに変わった事に気付いた。
先輩の様子に確信めいたものを感じ、私は口角を吊り上げた。
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