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intimidation love
第1章 恋は盲目

「さすがにまずくないですか?こんな事が知れたら…先輩もそうだけど、シオリ先生の方がずっと」

「何が言いたいわけ?」

「拡大して撮影したから、二人の顔もばっちり見えてますしね」

「…じゃあもう一回見せてくれる?さっきは一瞬だったから、そんな顔なんて見なかったし」

「いいですけど」

私は先輩の言う通りに、もう一度先輩の目の前にスマホをかざした。
すると先輩は、勢い良く私からそれを奪い取る。

「あっ」

私が声を上げた時には既に、スマホは先輩の手に渡っていた。

「あのね、脅しなんてやめといた方がいいよ?君せっかく可愛いのに、似合わないよそういう事」

切り札を奪われたというのに、先輩の言葉に動揺してしまう自分が情けない。
きっと、先輩は女子になら誰にでも平気で口にしているのだろう。
わかっているつもりでも、嬉しい事に変わりない。

「じゃあ、これは消しておくからね」

「返して下さい!」

「消したら返してあげるって」

背の低い私が、先輩からスマホを奪い取る事は不可能だった。

「はい、これでオッケー」

満面の笑みを浮かべた先輩が、私の手にスマホを握らせた。

「これからは、こういういたずらしちゃ駄目だからね?」

もう用は無いと言わんばかりに、先輩は私に背を向け颯爽と立ち去ろうとする。

「…保存してるのは、スマホだけじゃないですよ」

立ち去ろうとする背中に声を掛けると、ぴたりと足を止めた先輩が振り返る。

「今の画像、ちゃんとパソコンにも保存してありますから」

ようやく先輩の顔から笑みが消えた事に、私は内心でほくそ笑んだ。
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