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intimidation love
第3章 吉野と一葉

「おいで」
胡座をかいた先輩が、組んだ自分の片足をぽんぽんと叩く。
「何ですか?」
「ここ、枕にしていいからお昼寝しよっか」
「…結構です」
「いいから」
腕を引っ張られ、無理矢理先輩の膝の上に頭を乗せる形で寝かされる。
驚いて顔を上げると、覗き込むようにして私を先見下ろす先輩と目が合った。
にこにこと微笑みながら、先輩が私の頭を撫でる。
ハル君の膝枕には慣れていたけれど、他の男の人にされるのは初めてで落ち着かない。
しかも相手が先輩となれば、余計にだ。
バクバクと煩い心臓の音が、聞こえてしまわないかと心配になる。
「…こんな事が、先輩にとっては暇潰しになるんですね」
「暇潰しっていうか、外野が居ないから凄く気楽だよ俺は」
「じゃあ別に私は要らないですよね?」
「いや、一人じゃ暇でしょ。何の為に君がここに居ると思ってんの」
「…それって、やっぱり暇潰しって事じゃないですか」
「あ、そっか」
「………」
先輩の考えている事が、ちっともわからない。
今はいい。
誰にも邪魔されず先輩と二人きりで居られる今は、私にとっては至福の時間だ。
だからこそ、昼休みが終わった後に感じる寂しさに押し潰されそうになる。
いつまで、先輩と過ごす時間が続けられるのか。
いつまで、私が先輩の暇潰しでいられるのか。
押し寄せる不安の方に、苦しくなる。
高望みなんてしてはいけない。
私は、特別なんかじゃないのだから。
胡座をかいた先輩が、組んだ自分の片足をぽんぽんと叩く。
「何ですか?」
「ここ、枕にしていいからお昼寝しよっか」
「…結構です」
「いいから」
腕を引っ張られ、無理矢理先輩の膝の上に頭を乗せる形で寝かされる。
驚いて顔を上げると、覗き込むようにして私を先見下ろす先輩と目が合った。
にこにこと微笑みながら、先輩が私の頭を撫でる。
ハル君の膝枕には慣れていたけれど、他の男の人にされるのは初めてで落ち着かない。
しかも相手が先輩となれば、余計にだ。
バクバクと煩い心臓の音が、聞こえてしまわないかと心配になる。
「…こんな事が、先輩にとっては暇潰しになるんですね」
「暇潰しっていうか、外野が居ないから凄く気楽だよ俺は」
「じゃあ別に私は要らないですよね?」
「いや、一人じゃ暇でしょ。何の為に君がここに居ると思ってんの」
「…それって、やっぱり暇潰しって事じゃないですか」
「あ、そっか」
「………」
先輩の考えている事が、ちっともわからない。
今はいい。
誰にも邪魔されず先輩と二人きりで居られる今は、私にとっては至福の時間だ。
だからこそ、昼休みが終わった後に感じる寂しさに押し潰されそうになる。
いつまで、先輩と過ごす時間が続けられるのか。
いつまで、私が先輩の暇潰しでいられるのか。
押し寄せる不安の方に、苦しくなる。
高望みなんてしてはいけない。
私は、特別なんかじゃないのだから。

