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intimidation love
第3章 吉野と一葉
「寝ないの?」

「…寝れませんよ」

「俺の膝枕が気に入らないなんて贅沢だね。早く寝なよ」

早く、私になんて飽きればいいのに。
そうしたら、諦められるのに。

「…ヨシノちゃんさあ」

寝ろと言いながら話し掛けて来る先輩に呆れつつ、耳を傾ける。

「本当に俺の事好きじゃないの?」

どうしていちいち聞いてくるのだろう。
そんな事、とっくに先輩は気付いているのではないのか。

「…そうだって言ったらどうするんですか?」

「え?」

「私が先輩の事、好きだって言ったらどうするんですか」

何故、聞き返してしまったのか。
無理だと自分に言い聞かせながら、実際は心の奥底で淡い期待を抱いていたのかもしれない。
だから、先輩の反応を確かめたくなってしまった。

「…え、それって本気で言ってる?」

先輩がどんな顔をするのかを、私はただじっと見つめた。

「じゃあ、付き合う?」

その言葉だけなら、私は歓喜していたのだろうか。
だけどやっぱり、聞かなければ良かったと私はすぐに後悔した。
少しでも嬉しそうな先輩の顔を見れたらいいなんて、とんだ思い上がりもいいところだ。
私が期待していたものとは真逆の反応に、すべてが崩れて行った。

私は先輩を、困らせたかったわけじゃない。
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