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intimidation love
第3章 吉野と一葉
晴れた日の昼休みは、殆どが屋上で過ごすようになっていた。
雨が降った日は仕方なく誰も居ない空き教室で過ごしたりもしたけれど、結局私にとって一番都合の良い場所は、校内一人気の無い屋上だった。
先輩には、屋上に連れて来てもらえた事を感謝している。
また来年、足を運ぶ運ぼうと思う。

だが、もう当分ここに来る事はないだろう。
少なくとも、先輩が卒業するまでは近付きたくない。
ここは元々先輩のお気に入りの場所でもある。
不用意に足を踏み入れ、先輩と鉢合わせになる事だけは避けたかった。

出来れば先輩の方から離れてくれる事を期待していたが、いつまで経っても状況は変わらなかった。
明らかに他の女性の匂いを纏ったまま平然と私の隣に座る先輩の無神経さには、頭がおかしくなりそうだった。
そんな私の気持ちなど露知らず、先輩は今日も私の弁当のおかずを奪い取る。

何日も前から限界を感じていた私は、今日こそ終止符を打とうと決めていた。
今後先輩の隣でご飯を食べられなくなるのだと思うと、締め付けられるように胸が苦しくなる。
先輩と過ごす時間に、すっかり慣れてしまったせいだ。
既に、片足くらいは嵌まっているのではないだろうか。
そうしていつか全身が完全に埋まってしまう前に、 私はその泥濘から抜け出さなければならない。
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