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intimidation love
第3章 吉野と一葉

「…一緒、ですか?」
「そう。ヨシノちゃん知ってた?俺と同じ名前の桜もあるんだよ」
「…そうなんですか?」
知らなかった。
桜の木にたくさんの種類がある事は知っていたけれど、先輩と同じ名前のものがあるなんて。
「一葉(カズハ)って名前の桜があるんですか?」
「読み方は違うけど漢字は同じだよ。俺の名前はそこから取ったって親も言ってたし。だから、俺もヨシノちゃんと一緒って事」
私を見つめる先輩の笑顔が、今までで一番優しいものに見えた気がした。
ただの私の思い込みかもしれない。
だけど別に、それでも良い。
「偶然なんだけどさ、ちょっと運命的かもって思ったんだけど俺」
私だって、そう思いたい。
先輩の言うように、運命であって欲しいと。
「…それは大袈裟ですよ」
「えー、だって俺本当に桜好きなんだよ?ここ受けたのだって、桜目当てだし」
「…え?」
「ここに通えば、毎年たくさん桜が見れると思って受けたんだから」
驚き過ぎて、言葉が出て来なかった。
「友達に言ったら、有り得ないって笑われたけどね。そんなふざけた理由で受験した奴、きっと俺くらいだって」
私は、ハル君にしか言っていなかった。
他の人に言ったら、絶対に馬鹿にされると思っていたから。
こんなに嬉しい気持ちになるのは、初めてかもしれない。
「やっぱりヨシノちゃんも、そう思う?」
先輩を好きになって良かったと、初めて心の底から思った。
先輩との些細な共通点が、こんなに大きな幸福感を与えてくれる。
これ以上、一体何を求めるというのだ。
「そう。ヨシノちゃん知ってた?俺と同じ名前の桜もあるんだよ」
「…そうなんですか?」
知らなかった。
桜の木にたくさんの種類がある事は知っていたけれど、先輩と同じ名前のものがあるなんて。
「一葉(カズハ)って名前の桜があるんですか?」
「読み方は違うけど漢字は同じだよ。俺の名前はそこから取ったって親も言ってたし。だから、俺もヨシノちゃんと一緒って事」
私を見つめる先輩の笑顔が、今までで一番優しいものに見えた気がした。
ただの私の思い込みかもしれない。
だけど別に、それでも良い。
「偶然なんだけどさ、ちょっと運命的かもって思ったんだけど俺」
私だって、そう思いたい。
先輩の言うように、運命であって欲しいと。
「…それは大袈裟ですよ」
「えー、だって俺本当に桜好きなんだよ?ここ受けたのだって、桜目当てだし」
「…え?」
「ここに通えば、毎年たくさん桜が見れると思って受けたんだから」
驚き過ぎて、言葉が出て来なかった。
「友達に言ったら、有り得ないって笑われたけどね。そんなふざけた理由で受験した奴、きっと俺くらいだって」
私は、ハル君にしか言っていなかった。
他の人に言ったら、絶対に馬鹿にされると思っていたから。
こんなに嬉しい気持ちになるのは、初めてかもしれない。
「やっぱりヨシノちゃんも、そう思う?」
先輩を好きになって良かったと、初めて心の底から思った。
先輩との些細な共通点が、こんなに大きな幸福感を与えてくれる。
これ以上、一体何を求めるというのだ。

