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intimidation love
第4章 膠着

「あっ…!」
誰かとぶつかった勢いに弾かれた私は、廊下に尻餅をついた。
「すみません…!」
注意散漫な自分に呆れつつ、ぶつかってしまった生徒に即座に謝る。
急いで立ち上がろうとした私は、ふと目の前に差し伸べられた手に顔を上げた。
「大丈夫?」
私を心配する声は柔らかく、それに見合う表情を浮かべるシオリ先生に優しく体を起こされる。
「…すみません、ありがとうございます」
シオリ先生を囲っている生徒達の煩わしそうな視線に、私は咄嗟に俯いた。
今日でシオリ先生の実習は終わりだから、きっと名残を惜しんでいたのだろう。
出来るだけ顔は見ないようにしていたのに、私を支えてくれるシオリ先生から漂う甘い匂いに足元がぐらついた。
知っている匂いだった。
時々先輩が纏っていた匂いと、同じものだ。
慌ててシオリ先生から離れ、頭を下げる。
「本当に大丈夫?」
「大丈夫です…あの、失礼します」
ちらつく先輩の顔を打ち消そうと、私は逃げるようにその場を後にした。
…先輩の事は、もう考えたくない。
誰かとぶつかった勢いに弾かれた私は、廊下に尻餅をついた。
「すみません…!」
注意散漫な自分に呆れつつ、ぶつかってしまった生徒に即座に謝る。
急いで立ち上がろうとした私は、ふと目の前に差し伸べられた手に顔を上げた。
「大丈夫?」
私を心配する声は柔らかく、それに見合う表情を浮かべるシオリ先生に優しく体を起こされる。
「…すみません、ありがとうございます」
シオリ先生を囲っている生徒達の煩わしそうな視線に、私は咄嗟に俯いた。
今日でシオリ先生の実習は終わりだから、きっと名残を惜しんでいたのだろう。
出来るだけ顔は見ないようにしていたのに、私を支えてくれるシオリ先生から漂う甘い匂いに足元がぐらついた。
知っている匂いだった。
時々先輩が纏っていた匂いと、同じものだ。
慌ててシオリ先生から離れ、頭を下げる。
「本当に大丈夫?」
「大丈夫です…あの、失礼します」
ちらつく先輩の顔を打ち消そうと、私は逃げるようにその場を後にした。
…先輩の事は、もう考えたくない。

