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intimidation love
第4章 膠着

先輩は少しだけ、考えるような素振りを見せた。
「…前にヨシノちゃんさ、どうせ自分のプライドが傷付いただけだろうって俺に言ったよね」
覚えている。
ただ、すぐに後悔した。
何と無く、言うべき事ではないと思ったから。
「確かにその通りかもしれないね。俺、あんまりそういう経験無いから」
「………」
「まさか君みたいな子に利用されるなんて思ってなかったから、俺のたかーいプライドはきっと深く傷付いちゃったんだろうね。だから、あんなにムカついたのかな」
他人事のような言い方に、違和感を覚える。
まるで、先輩自身もよくわかっていないかのような。
「それに、ヨシノちゃん見てるとなんか苛々するんだよね。最初は気の強い子だと思ってだけど、実際違うでしょ?守られて生きて来ましたっていうのが明け透けで、それに加えて男相手なら誰にでも媚び売るような尻軽だし」
先輩の言っている事は、きっと間違いではない。
私に先輩を詰る権利なんてないのだ。
きっと、仕方ない事だ。
それでもやっぱり、先輩の目に私はそんな風に映っていたのかと思うと悲しくてたまらなかった。
「…酷、い」
私を見下ろす先輩が、鼻で笑った。
「…前にヨシノちゃんさ、どうせ自分のプライドが傷付いただけだろうって俺に言ったよね」
覚えている。
ただ、すぐに後悔した。
何と無く、言うべき事ではないと思ったから。
「確かにその通りかもしれないね。俺、あんまりそういう経験無いから」
「………」
「まさか君みたいな子に利用されるなんて思ってなかったから、俺のたかーいプライドはきっと深く傷付いちゃったんだろうね。だから、あんなにムカついたのかな」
他人事のような言い方に、違和感を覚える。
まるで、先輩自身もよくわかっていないかのような。
「それに、ヨシノちゃん見てるとなんか苛々するんだよね。最初は気の強い子だと思ってだけど、実際違うでしょ?守られて生きて来ましたっていうのが明け透けで、それに加えて男相手なら誰にでも媚び売るような尻軽だし」
先輩の言っている事は、きっと間違いではない。
私に先輩を詰る権利なんてないのだ。
きっと、仕方ない事だ。
それでもやっぱり、先輩の目に私はそんな風に映っていたのかと思うと悲しくてたまらなかった。
「…酷、い」
私を見下ろす先輩が、鼻で笑った。

