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intimidation love
第4章 膠着
一気に入れられた三本の指が更に奥へと突き進み、思わず嘔吐きそうになったところでゆっくりと引き抜かれて行く。
咳き込む私を笑顔で見下ろしたままの先輩が、同じ事を尋ねて来る。

「で、何人?」

「何で、そんな事……んう゛ぅ゛っ…!」

それでも答えない私の咥内に、再び先輩の指が突っ込まれる。
強引な抜き差しに、咥内に溜まった唾液が唇の端を伝い零れ落ちて行く。
あまりの苦しさから衝動的に先輩の指に噛み付くと、逆に喉の奥まで押し込まれた。

「う゛う゛う゛っ…!?」

「痛いんだけど」

迫り上がる吐き気に、生理的な涙が溢れ出す。
ようやく抜かれた唾液まみれの先輩の指には、くっきりとした歯形が残っていた。

「何人?」

何度も咽せ返る私へと、追い討ちを掛けるように先輩が問う。
言わなければ、また同じ事が繰り返される。
私は戦慄く唇をどうにか開いた。

「…っ、一人…です」

「今度はそうやって嘘つくんだ。本当は、覚えてないだけなんでしょ?」

嘘なんてついてない。
だけど先輩は、信じてくれなかった。

「違いますっ…本当に、嘘なんかじゃ…」

「もういいよ」

呆れたように溜息を漏らした先輩は、おもむろに自らのネクタイを片手で引き抜いた。
先輩がしようとしている事を何と無く察した私は、今度こそ逃れようと必死で抵抗した。

「いやっ…!」

暴れる私の両腕は軽々とシーツへと縫い付けられ、すぐに頭上へと持って行かれる。

「やめ…」

「だから、嫌がる振りはもういいって」

私の両方の手首が、いとも簡単に先輩の片手で纏め上げられる。
いくら体全体を動かそうと、抜け出す事は叶わなかった。
先輩の片腕にすら敵わない事に気付かされた私は、愕然とした。
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