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intimidation love
第4章 膠着

一体何なのだろうと、首を傾げる私へと先輩がスマホを向けた。
「…え?」
「動かないでね、ブレちゃうから」
唖然とする私に微笑みながら、躊躇う事なく先輩は画面をタッチする。
聞こえて来たシャッター音に、何が起きたのか私は今更理解した。
「うーん、アングルがいまいちかなあ。もう少しこっち見てくれる?」
「やっ…やだ!撮らないで!」
「心配しなくても、終わったらちゃんと解いてあげるから。体、そっち向けちゃ見えないでしょ?」
裸同然の姿を撮られるなんて、こんな屈辱的な事はない。
「いやぁ…!こんなの、最低っ…」
自分で口にして、はっとする。
「何で?ヨシノちゃんだって同じ事した癖に、何で俺は駄目なの」
「で、でも私は全部消したのに…」
「それで帳消しなんてちょっと甘いんじゃないかな?全部、身から出た錆だと思わない?」
私に、先輩を最低だと非難する権利などない。
こうなったのは、自業自得だ。
先輩は、私がして来た事をなぞっているだけなのだ。
「そのまま大人しくしててね?」
何をされたとしても、私には抵抗する権利すらないというのに。

