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intimidation love
第5章 暗闇に沈む時

もしもそういう相手が居るのだとしたら、はっきり言って私は邪魔者だ。
しかも練習台になんかされて、ハル君にとってはさぞいい迷惑だったに違いない。
「何で、今そんな事聞いて来る?」
「…聞いちゃいけなかった?」
「別に、そうじゃないけど…いきなりだろ」
ハル君に怪しむような目を向けられ、私は俯いた。
やっぱり、私には言いたくないのだろうか。
「遠慮なら、しなくていいから」
「…遠慮?」
「今は私ハル君に頼りっぱなしだけど、ずっとそれじゃいけない事もわかってるから。私は今でも十分幸せだけど…でも、ハル君にだって幸せになって貰いたいと思ってる」
ずっと思っていた。
ハル君は、私の為にずっと自分を犠牲にして来たのではないかと。
仕事が終わった後はどこかに出掛ける事もなく、毎日暗くなる前に帰宅して。
休日だって、夜になる前にハル君は帰って来る。
ハル君は、夜に私を一人にする事は絶対にない。
ハル君は自分の生活を、完全に私に合わせている。
きっとこのままでは、私は大人になってもハル君を縛り付けたままになってしまう。
そんなの、いいわけがない。
「だからね、ハル君にもしそういう人が居るなら私はー…」
「ヨシノ」
遮るようにハル君に名前を呼ばれ、私は顔を上げた。
静かな怒りを孕んだハル君の眼差しに、びくりと肩が震えた。
しかも練習台になんかされて、ハル君にとってはさぞいい迷惑だったに違いない。
「何で、今そんな事聞いて来る?」
「…聞いちゃいけなかった?」
「別に、そうじゃないけど…いきなりだろ」
ハル君に怪しむような目を向けられ、私は俯いた。
やっぱり、私には言いたくないのだろうか。
「遠慮なら、しなくていいから」
「…遠慮?」
「今は私ハル君に頼りっぱなしだけど、ずっとそれじゃいけない事もわかってるから。私は今でも十分幸せだけど…でも、ハル君にだって幸せになって貰いたいと思ってる」
ずっと思っていた。
ハル君は、私の為にずっと自分を犠牲にして来たのではないかと。
仕事が終わった後はどこかに出掛ける事もなく、毎日暗くなる前に帰宅して。
休日だって、夜になる前にハル君は帰って来る。
ハル君は、夜に私を一人にする事は絶対にない。
ハル君は自分の生活を、完全に私に合わせている。
きっとこのままでは、私は大人になってもハル君を縛り付けたままになってしまう。
そんなの、いいわけがない。
「だからね、ハル君にもしそういう人が居るなら私はー…」
「ヨシノ」
遮るようにハル君に名前を呼ばれ、私は顔を上げた。
静かな怒りを孕んだハル君の眼差しに、びくりと肩が震えた。

