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intimidation love
第5章 暗闇に沈む時
ハル君を悲しませたくない。
そう思っていても、私は結局ハル君に辛そうな顔ばかりさせてしまう。
大切な存在である筈のハル君すらもこうして苦しめている私が、誰かを好きになったところで上手く行くわけがないのに。
「…何かあったのか?」
体を屈めたハル君が、私の顔をそっと覗き込む。
ハル君の心配そうな声を聞くと、何だか余計に苦しくなってしまう。
迷惑だろうとわかっていても、それでも涙は中々止まってはくれない。
原因は、自分でよくわかっている。
単に私は、昨日の出来事から無理矢理にでも意識を逸らせたかっただけだ。
そのせいで、ハル君を怒らせてしまい余計な悪循環を生み出してしまった。
元はといえば、私が全部悪い。
だけどもし私が口に出してしまえば、先輩までもが悪者になってしまう気がしてならない。
先輩に、迷惑が掛かってしまう。
「ごめんなさい…怖い夢見ただけだから…」
「本当に?」
「…うん」
「…なら、いいけど」
ハル君は少しだけほっとした顔を見せ、不意に私の体を抱き上げた。
「…ハル君?」
「まずはおまえが泣き止んでくれないと、俺が安心出来ない」
ソファに腰を下ろしたハル君に、私は横抱きのまま全身を包まれた。
久し振りの抱擁に驚きつつ、嬉しい気持ちの方が勝ってしまった私はすかさずハル君の背中に腕を回した。
「…いや、そんながっつくなよ」
「…だって、ハル君ずっと私の事避けてたから」
「別に避けてないだろ」
「嘘、絶対避けてた。わかるもん私」
「………」
ハル君は苦笑しながらも、ぎゅっと抱き締め返してくれる。
不安を取り除くように、ハル君はよくこんな風に私を抱き締めてくれた。
まるで、ハル君は私の精神安定剤のようなものだ。
だからこそ、離れられない。
そう思っていても、私は結局ハル君に辛そうな顔ばかりさせてしまう。
大切な存在である筈のハル君すらもこうして苦しめている私が、誰かを好きになったところで上手く行くわけがないのに。
「…何かあったのか?」
体を屈めたハル君が、私の顔をそっと覗き込む。
ハル君の心配そうな声を聞くと、何だか余計に苦しくなってしまう。
迷惑だろうとわかっていても、それでも涙は中々止まってはくれない。
原因は、自分でよくわかっている。
単に私は、昨日の出来事から無理矢理にでも意識を逸らせたかっただけだ。
そのせいで、ハル君を怒らせてしまい余計な悪循環を生み出してしまった。
元はといえば、私が全部悪い。
だけどもし私が口に出してしまえば、先輩までもが悪者になってしまう気がしてならない。
先輩に、迷惑が掛かってしまう。
「ごめんなさい…怖い夢見ただけだから…」
「本当に?」
「…うん」
「…なら、いいけど」
ハル君は少しだけほっとした顔を見せ、不意に私の体を抱き上げた。
「…ハル君?」
「まずはおまえが泣き止んでくれないと、俺が安心出来ない」
ソファに腰を下ろしたハル君に、私は横抱きのまま全身を包まれた。
久し振りの抱擁に驚きつつ、嬉しい気持ちの方が勝ってしまった私はすかさずハル君の背中に腕を回した。
「…いや、そんながっつくなよ」
「…だって、ハル君ずっと私の事避けてたから」
「別に避けてないだろ」
「嘘、絶対避けてた。わかるもん私」
「………」
ハル君は苦笑しながらも、ぎゅっと抱き締め返してくれる。
不安を取り除くように、ハル君はよくこんな風に私を抱き締めてくれた。
まるで、ハル君は私の精神安定剤のようなものだ。
だからこそ、離れられない。