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intimidation love
第5章 暗闇に沈む時
「ハル君…本当に彼女居ないの?」
「…だから、居ないって。別に必要ないし」
「何で?」
「何でって…面倒臭いから」
面倒臭いだなんて、きっと嘘だと思う。
今でこそハル君には女っ気がないが、昔は違った筈だ。
ハル君がまだ大学生だった頃はよく女の人から電話が掛かって来ていたし、家にも彼女らしき人が来ていたのを何度か見掛けた事もあった。
だけどいつしか、そんな事も無くなっていた。
「学校で、密かにハル君の事好きな女子結構居るの知ってた?」
「…はあ?何だそれ。養護教諭が男なんて、むしろ女子は嫌がってるだろ」
普通は、そうかもしれない。
圧倒的に養護教諭は女性の比率が高いし、ハル君のイメージとはあまり合わない。
保健室の先生はもっと柔らかい雰囲気の人を想像するが、ハル君は真逆だ。
無愛想だし、生徒に囲まれて談笑しているようなタイプでは決してない。
「でも、先生の中じゃたぶんハル君が一番人気あると思うよ?」
「だから、何で俺が…」
「だって、格好良いからハル君」
男性として、ハル君は十分に魅力的だ。
毎日顔を合わせている私がそう感じるのだから、学校の女子達も例外ではないだろう。
私を見つめていたハル君の切れ長の目が、大きく見開かれる。
「…馬鹿か、おまえは」
そっぽを向くハル君の横顔が、ほんのりと赤く染まる。
ハル君は普段は仏頂面だけれど、意外と照れ屋な面もある。
たまに見せるその顔が何だか子供っぽくて、そのギャップが私は大好きだ。
ハル君に抱き締められている安心感からか、いつの間にか涙は止まっていた。
「…だから、居ないって。別に必要ないし」
「何で?」
「何でって…面倒臭いから」
面倒臭いだなんて、きっと嘘だと思う。
今でこそハル君には女っ気がないが、昔は違った筈だ。
ハル君がまだ大学生だった頃はよく女の人から電話が掛かって来ていたし、家にも彼女らしき人が来ていたのを何度か見掛けた事もあった。
だけどいつしか、そんな事も無くなっていた。
「学校で、密かにハル君の事好きな女子結構居るの知ってた?」
「…はあ?何だそれ。養護教諭が男なんて、むしろ女子は嫌がってるだろ」
普通は、そうかもしれない。
圧倒的に養護教諭は女性の比率が高いし、ハル君のイメージとはあまり合わない。
保健室の先生はもっと柔らかい雰囲気の人を想像するが、ハル君は真逆だ。
無愛想だし、生徒に囲まれて談笑しているようなタイプでは決してない。
「でも、先生の中じゃたぶんハル君が一番人気あると思うよ?」
「だから、何で俺が…」
「だって、格好良いからハル君」
男性として、ハル君は十分に魅力的だ。
毎日顔を合わせている私がそう感じるのだから、学校の女子達も例外ではないだろう。
私を見つめていたハル君の切れ長の目が、大きく見開かれる。
「…馬鹿か、おまえは」
そっぽを向くハル君の横顔が、ほんのりと赤く染まる。
ハル君は普段は仏頂面だけれど、意外と照れ屋な面もある。
たまに見せるその顔が何だか子供っぽくて、そのギャップが私は大好きだ。
ハル君に抱き締められている安心感からか、いつの間にか涙は止まっていた。