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intimidation love
第5章 暗闇に沈む時
今後先輩が私に関わって来る事は、もしかしたらないかもしれない。
私を抱いた事で満足し、既に飽きてしまった可能性だってある。
そうであってくれたらいい。
これ以上、脳内を先輩で埋め尽くされたくはなかった。
それに、ハル君にばれてしまう前に先輩との関係は断ち切っておきたい。
たとえ自分の中の本心は違っても、そうした方がこれ以上傷が深くなる事もないのだから。
…問題は、その決定権が私にはない事だ。
*****
スマホの画面をじっと見つめる私を、友人が不思議そうな顔覗き込んで来る。
「何暗い顔してんの。お昼ご飯食べないの?」
慌ててスマホをしまい、席を立つ。
「あの…ごめん私今日は」
「保健室行くの?」
「…あ、うん」
「私も着いて行こうか?」
「ううん…一人で大丈夫」
「先生も居るだろうから大丈夫だと思うけど、午後の授業寝過ごさないようにね
「…うん」
正直、お腹はあまり空いていなかった。
それよりも、友人に嘘をついた事への罪悪感からちくちくと胸が痛んだ。
私は、保健室には行かない。
廊下奥の階段を上り、屋上に繋がる扉の前で立ち止まる。
ハル君にはもう行くなと注意されていたけれど、どうやら鍵は直されていないようだった。