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intimidation love
第5章 暗闇に沈む時
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「入らないの?」
中に入るのを躊躇っていると、突然背後で声がし驚いて振り返った。
「ていうか、驚き過ぎじゃない?」
「…あ」
数日振りに間近で見た先輩は相変わらず綺麗な微笑みを浮かべていて、つい見とれてしまいそうになった私は慌てて目を逸らした。
「こんな所で突っ立ってないで、早く中入ろ?」
「あっ…」
先輩は扉を開け、私の腕を引く。
ばたんと音を立てて、扉が閉まる。
「何で手ぶらなの?昼飯は?」
「…お腹、空いてないので」
「えー?せっかく久し振りに誘ったのに意味ないじゃん」
不満そうな声を漏らす先輩こそ、私と同じで手に何も持っていない。
「…先輩は食べないんですか」
「俺?早弁しちゃった」
自分は既に食べ終わっているのに、私を呼んだ意味がわからない。
もしかして、私の分が食べたかったのだろうか。
「…お弁当、教室行って取って来ます」
「え?」
再び廊下に戻ろうとすると、先輩に腕を強く引き寄せられ思わず体勢を崩してしまう。
「あっ…!」
先輩の胸に凭れ掛かってしまった体は、後ろから抱き留められた事で地面に打ち付けずに済んだ。
「あっぶな…何してんの」
何故私が叱られるのだろう。
元はといえば、先輩がいきなり私の腕を引っ張ったせいなのに。
「…は、離して下さい」
慌てて離れようとする私の体に、先輩の腕が絡み付く。
「ねえ、何で震えてるの?」
先輩に言われて、自分の体がかたかたと震えている事に気が付いた。
無意識に、先輩を怖れている自分がいる。
中に入るのを躊躇っていると、突然背後で声がし驚いて振り返った。
「ていうか、驚き過ぎじゃない?」
「…あ」
数日振りに間近で見た先輩は相変わらず綺麗な微笑みを浮かべていて、つい見とれてしまいそうになった私は慌てて目を逸らした。
「こんな所で突っ立ってないで、早く中入ろ?」
「あっ…」
先輩は扉を開け、私の腕を引く。
ばたんと音を立てて、扉が閉まる。
「何で手ぶらなの?昼飯は?」
「…お腹、空いてないので」
「えー?せっかく久し振りに誘ったのに意味ないじゃん」
不満そうな声を漏らす先輩こそ、私と同じで手に何も持っていない。
「…先輩は食べないんですか」
「俺?早弁しちゃった」
自分は既に食べ終わっているのに、私を呼んだ意味がわからない。
もしかして、私の分が食べたかったのだろうか。
「…お弁当、教室行って取って来ます」
「え?」
再び廊下に戻ろうとすると、先輩に腕を強く引き寄せられ思わず体勢を崩してしまう。
「あっ…!」
先輩の胸に凭れ掛かってしまった体は、後ろから抱き留められた事で地面に打ち付けずに済んだ。
「あっぶな…何してんの」
何故私が叱られるのだろう。
元はといえば、先輩がいきなり私の腕を引っ張ったせいなのに。
「…は、離して下さい」
慌てて離れようとする私の体に、先輩の腕が絡み付く。
「ねえ、何で震えてるの?」
先輩に言われて、自分の体がかたかたと震えている事に気が付いた。
無意識に、先輩を怖れている自分がいる。
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