この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
君と甘い鳥籠で
第1章 1

 私、子どもが出来ないかもしれない。

 それは生涯を独身で過ごす事をも意味する。頭を過った不安を振り払う様にグレーテは首を振った。

 大丈夫。もともと毎月来ていた訳じゃないし、もっと大人になったら再開するもの。
 それに……子どもが苦手な男性だっているかもしれないじゃない?
 
 根拠のない希望。でも、グレーテはそれに縋るしかない。じわじわと迫る例えようのない恐れに小さく身体を震わせて、グレーテはシャラシャラ鳴る鎖を引き連れ、逃げるようにハンスのベッドに駆け込んだ。頭から布団を被り、小さな身体をさらに小さく丸めてハンスの匂いに包まれる。

 大丈夫、私は一人じゃない。
 兄さんが、ハンスが傍にいてくれるもの。
 私を置いて行ったりしないもの。

 グレーテは病気の時の事をほとんど覚えていない。ただ、ハンスの優しい笑顔だけが彼女の記憶に残っていた。
 朦朧とした意識の中、目を開くといつも傍に居てくれた。力の入らないグレーテの手をギュッと握り『大丈夫だよ』と微笑みかけてくれていた。

 たった一人の私の家族。
 優しくて、強くて、頼りがいがあって、格好いい。
 大好きなハンス。
 私の、兄さん……

 ハンスがグレーテを意識する様になったのは魔女に囚われた時にまで遡る。
 見目麗しい兄妹を捕まえた事を悦んだ魔女はまず、ハンスを観賞の後、食用とする為に鳥籠に閉じ込めた。そしてグレーテを小間使いとしてこき使い、夜は慰みモノとしてその幼い身体を弄んだのだ。
 夜毎閨から聞こえるグレーテの甘い悲鳴。ハンスには初めソレが何か分からなかった。でも日毎に悦びを滲ませ、媚びる様な嬌声へと変わっていく様子に次第に心を乱されて。 

/12ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ