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あおい風 あかい風
第2章 キス
 一年前 陸上部の倉庫に入ってみると 小さな女の子が 精一杯背伸びして 棚の一番上においてあるリレーバトンの箱をとろうとしていた。
 体操服を着ていたし 陸上部だろうと思った。見慣れない顔だから 一年生か。
 あともう少し、というように 指先がくねくね箱をさぐっている。

 大輝が簡単に箱をとると 目標物を失った反動で 女の子が 大輝の胸に倒れこんだ。
 短く切り揃えた髪から シャンプーの匂いがする。
 驚いて目を見張っている。「大きな目だなぁ」

 はじけるように大輝から離れた女の子に箱を差し出すと 受け取ろうとしているが 手と足がちぐはぐな動きをし 焦っているのが伝わった。
 深く頭をさげ 「ありがとうございます」と言うと 走って出て行った。

 あとで 横山碧という一年生だとわかった。
 碧は 小さな身体が いつも飛び跳ねているようにみえる よく笑う子だった。
 よく 大輝のほうを見ている。目が合うとあわててそらす。

 大輝も ジャンプした後 バーを確認すると 必ず碧の様子をみた。碧の大きな目に感嘆の表情があれば それがジャンプの評価だった。碧の表情で 自信や喜びが生まれた。

  そういうことが 人を好きになる、ということなのだと理解するのに 一年かかった
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