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あおい風 あかい風
第2章 キス
 ぽつぽつ つぶやくように 話す。
 率直な言葉のひたむきさに感動する。
 すき、って いうことよね。そういってくれているのよね。
 濡れたウェアをとおして 感じた大輝の温かい胸。どくどくいってた大輝の心臓。

 わたしだって とってもすきだし だきしめられたいと思っている。でも すき、っていう気持ちがどこかに向かうのはこわい。
 大輝 は 遠い 高いところにいる人だった。
 胸の奥深くたたみこんでいたその気持ちを明らかにするのは とってもこわい。
 泣きそうに こわい。
 今、大輝が すぐ目の前にいて 碧をもとめている。

 「キスしてもいいですか?」
 おそるおそるうなづくと またキスしてくれた。大輝の唇は とても気持ちがいい。やわらかくて あたたかくて なめらかで ずぅっと キスしていたい。

 そのあと ぎゅうって抱きしめてくれた。

 「おまえ ちいさいな。なんか おれそう」

 抱きしめられるのって すごく気持ちがいいのね。
 大輝の体温が伝わってくるのって こんなにうれしいんだ。
 すべての恋人たちが 抱き合う意味が 今わかった。
 こころがあふれたら 抱きしめずにいられなくなるんだ。

 背中にまわした手が おっぱいを撫ではじめる。この前と違って 制服だし ふつうのブラだし なんかもどかしい。


「したい」

 多分 大輝がいいたいことは わかった。わたしも したい、と思う。こんなに満たされることの続きがあるとしたら してみたい。
 だから うなづいた。
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