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あおい風 あかい風
第2章 キス
 「練習は?」 
 「午前中で終わるだろ。試験は 金曜までだし」

  そうだ。大輝は 明日から試験なのだ。
 こんなことしている場合じゃあないんじゃないの?

 「親が 留守だから」


 どっきん。
 言葉がでてこない。

 「じゃあ 帰る」

 返事を待たず 自転車の方向をかえると 走り去った。

 長い脚を持て余して 大輝が乗ると小さくみえる赤い自転車が 日没後の闇の中にきえていく。
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