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あおい風 あかい風
第8章 髪飾り
 少しでもレッスン料の足しに、と思って始めたアルバイトだったが 結婚式は嫌いだ。他人が幸せそうにしているのを見せつけら れるのは つらい。
 自分は 決して幸せになれないような気がする。
 しかも 打ち合わせで 花嫁に会うことがあると その敵意のせいで もっと嫌になる。人生で最も輝く日に 結月の美貌は 迷惑なのだ。

 結月には 親友と呼べるような友人ができたことがなかった。とっつきにくい性格なのか。それより 引き立て役になってまで友人になりたいほど 結月に魅力がないのか。

 大学に入ってまもなくの頃、合コンに誘われた。浮かれて参加の返事をすると 結月を誘った無邪気な女の子は 他の参加者から責められていた。
 合コンは悲惨だった。男性陣は こぞって結月の気を引こうとし ご機嫌を伺う。女性陣は あからさまな反感を隠そうともしなかった。
 外で電話に出るふりをして 用事ができたから、と途中で帰った。

 日常的な孤独には慣れていた。

 だが 大輝を失った孤独には いつまでも慣れることができない。
 大輝は 家族であり 親友だった。大きな愛情で 結月のわがままを許し 信頼を差し出し 守ってくれた。それは永遠に変わらないと 思っていたのに 突然いなくなってしまった。
 
 大輝を失うということは 大輝の家族も失うことだった。

 「ゆうちゃん 前みたいに遊びに来て」
 と何度も誘われたが 大輝のいなくなった松本家を訪れるのは恐ろしくてできなかった。
 大輝のいない空虚さは これ以上 受け容れられない。
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