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あおい風 あかい風
第8章 髪飾り
レストランの扉を開けると 香ばしいスパイスの匂いがした。そういえば 朝から何も食べていない。
奥の席を占めている華やかな一団の中で 伸び上がって手を挙げる人がいた。陽輝だ。ドレスからシンプルなモスグリーンのワンピースに着替えたのに すぐに気づいてくれた。
カウンターに座って アイスティーをたのむと 陽輝が来た。
「なにかたのんだ? 少ししたら出れるから」
「いいの?そんなことして。待っているから大丈夫よ」
「少しだけ 待ってて」
アイスティーを半分くらい飲んだところに 陽輝がもどってきた。
「出れる?」
奥の華やかな一団から 「松本さぁん」と呼ばれているのに そちらへはひらひらと手を振り 会計をすませてくれた。
「こんなことをして いいの?」
「ゆうちゃんが心配するようなことじゃあないよ」ゆったりと微笑む。
ほんとうは とても嬉しかった。陽輝に特別扱いをしてもらっているようで うきうきした。
「お客様」
振り返ると 店員さんが 結月の髪飾りを持って 追いかけてきていた。「お忘れ物です」
お礼をいい 歩き始めると
「つけておくと忘れないのに」
「まさか」
「よく似合っていたから」
はるにぃは 知らない。
そんなひとこと、ひとことで どんなにわたしが一喜一憂するか。
奥の席を占めている華やかな一団の中で 伸び上がって手を挙げる人がいた。陽輝だ。ドレスからシンプルなモスグリーンのワンピースに着替えたのに すぐに気づいてくれた。
カウンターに座って アイスティーをたのむと 陽輝が来た。
「なにかたのんだ? 少ししたら出れるから」
「いいの?そんなことして。待っているから大丈夫よ」
「少しだけ 待ってて」
アイスティーを半分くらい飲んだところに 陽輝がもどってきた。
「出れる?」
奥の華やかな一団から 「松本さぁん」と呼ばれているのに そちらへはひらひらと手を振り 会計をすませてくれた。
「こんなことをして いいの?」
「ゆうちゃんが心配するようなことじゃあないよ」ゆったりと微笑む。
ほんとうは とても嬉しかった。陽輝に特別扱いをしてもらっているようで うきうきした。
「お客様」
振り返ると 店員さんが 結月の髪飾りを持って 追いかけてきていた。「お忘れ物です」
お礼をいい 歩き始めると
「つけておくと忘れないのに」
「まさか」
「よく似合っていたから」
はるにぃは 知らない。
そんなひとこと、ひとことで どんなにわたしが一喜一憂するか。