この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
あおい風 あかい風
第8章 髪飾り
 「いつか はるにぃもいなくなって 誰もいなくなる。ひとりぼっちになる」
  髪飾りをさわりながら はじめて 一番恐れていることを口にした。

 「ひとりぼっちなんかじゃ ないだろう?」
 
 伝わらないもどかしさで 泣いてしまう。
 「ちがうっ。ほんとうのひとりぼっち、よっ」
 「だいちゃんがいなくなったから はるにぃもいなくなる。そうして ほんとうのひとりぼっちになる」
 涙が ぽろぽろ落ちるのが自分でも見える。

 結月の言いたいことがわかるような気がした。
 三人は 陽輝を頂点とした二等辺三角形だった。底辺の一角の大輝がいなくなって三角形がなくなった。形がなくなり 居場所がなくなった。

 大輝という三角の一角がなくなり 陽輝を失ってしまう。 それは すべてを失うことだった。
 どこにいればいいのか・・・

 「ひとりぼっちは いやだぁ」
 こどものように泣きじゃくっている。

 いなくなったりしない、と言ってやればいいのだろうか。抱きしめて 大丈夫だと言ってやればいいのだろうか。
 でも それは嘘だ。

 「だいちゃんがいなくなったりするから」

 突然 わかった。結月が求めているものが。自分と向き合って欲しいと訴えている。
/107ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ