この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あおい風 あかい風
第8章 髪飾り
「いつか はるにぃもいなくなって 誰もいなくなる。ひとりぼっちになる」
髪飾りをさわりながら はじめて 一番恐れていることを口にした。
「ひとりぼっちなんかじゃ ないだろう?」
伝わらないもどかしさで 泣いてしまう。
「ちがうっ。ほんとうのひとりぼっち、よっ」
「だいちゃんがいなくなったから はるにぃもいなくなる。そうして ほんとうのひとりぼっちになる」
涙が ぽろぽろ落ちるのが自分でも見える。
結月の言いたいことがわかるような気がした。
三人は 陽輝を頂点とした二等辺三角形だった。底辺の一角の大輝がいなくなって三角形がなくなった。形がなくなり 居場所がなくなった。
大輝という三角の一角がなくなり 陽輝を失ってしまう。 それは すべてを失うことだった。
どこにいればいいのか・・・
「ひとりぼっちは いやだぁ」
こどものように泣きじゃくっている。
いなくなったりしない、と言ってやればいいのだろうか。抱きしめて 大丈夫だと言ってやればいいのだろうか。
でも それは嘘だ。
「だいちゃんがいなくなったりするから」
突然 わかった。結月が求めているものが。自分と向き合って欲しいと訴えている。
髪飾りをさわりながら はじめて 一番恐れていることを口にした。
「ひとりぼっちなんかじゃ ないだろう?」
伝わらないもどかしさで 泣いてしまう。
「ちがうっ。ほんとうのひとりぼっち、よっ」
「だいちゃんがいなくなったから はるにぃもいなくなる。そうして ほんとうのひとりぼっちになる」
涙が ぽろぽろ落ちるのが自分でも見える。
結月の言いたいことがわかるような気がした。
三人は 陽輝を頂点とした二等辺三角形だった。底辺の一角の大輝がいなくなって三角形がなくなった。形がなくなり 居場所がなくなった。
大輝という三角の一角がなくなり 陽輝を失ってしまう。 それは すべてを失うことだった。
どこにいればいいのか・・・
「ひとりぼっちは いやだぁ」
こどものように泣きじゃくっている。
いなくなったりしない、と言ってやればいいのだろうか。抱きしめて 大丈夫だと言ってやればいいのだろうか。
でも それは嘘だ。
「だいちゃんがいなくなったりするから」
突然 わかった。結月が求めているものが。自分と向き合って欲しいと訴えている。