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第9章 乱

　お互いの身体を撫でまわし合いながら 何度もキスをした。結月の肌は さらさらしていて とても気持ちがいい。唇は 次第に熱を おびてきて 柔らかくしっとりしている。

　結月の手のひらが「わすれないで」と伝えてくる。わすれられるものか。
　
　 全身に舌を這わせ 白い肌の感触を楽しみながら 下へ降りていく。慎ましやかなヘアを撫でて 脚を開かせようとすると
　「あっ・・・いやっ・・・はずかしいっ」
　腰を引いて逃げようとする。まさか クンニは初めてではないだろうが。
　「全部 みせて」
　結月の頬が紅く染まっている。尚も逃げようとするのが とても可愛らしく 力をこめて脚を開いた。
　ひときわ白い内股が晒される。

　「ああぁ いや・・・」

　結月の女陰は ひっそりと閉じている。小さくて ここも可愛らしい。結月は できるだけ首をねじまげ 見ないようにしている。
　ほっそりとした首筋もうっすら朱に染まっている。

　今まで セックスで 恥ずかしいと感じたことはなかった。その時に裸になるのは当たり前だったし いつも「こんなもの」と すん なり受け入れていた。
　それなのに 陽輝が抱いてくれる身体が愛おしくなり もっと大事にしたいと思った途端に 羞恥心が生まれた。

　悦びが始まるのがわかっているのに　恥ずかしくて　逃れたいと思う。その矛盾に　自分でも戸惑っていた。