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第14章 遠い記憶

『イヤッ、イヤァ・・・。』

男は容赦無く、理恵の頬を舐め上げていく。

そう、涼子にとってかけがえのない大切な恋人の顔を。

「や、やめ・・てぇ・・・。」

思わず涼子の唇から言葉が漏れる。

抱きしめられている理恵の耳に、涼子の豊満な胸から激しい心臓の鼓動が聞こえる。

『んふふふふ、ひゃぁ、ひゃぁ・・・。』

男は興奮に目を見開いて、こちらを見ている。

尚も理恵の耳を、首筋を蹂躙していく。

「かわいそうに、理恵ちゃん・・。」

涼子は胸を押しつぶされそうな気持ち、で理恵を見つめつぶやいた。

何とか救い出してやりたいのだが、それはむなしい願いであった。

今出来る事は、愛しい天使を抱きしめてあげる事だけしかなかった。

自分の無力さがくやしかった。

『い、いやぁ・・ああっ・・・。』

画面の中で理恵は苦悶の表情で男の愛撫に耐えている。

涼子の両手の指は実在の理恵の肩に食い込むかの如く、強く震えていた。

得意顔で男が叫ぶ。