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人間と牛
第3章 人間
(……って言っても、なかなか中学生なんて……ん?)
立花は見つけた。とても可愛い中学生だった。すらりとした体型に整った顔立ち、山本教授は、きっと、ああいう子を求めているんだろう。

しかも彼女は一人、これは好都合だ。

タッタッタッタッタッタッ……。
「……?」
プスッ!
「…………」


「よいしょ……」
立花は倒れそうになった中学生を、ゆっくりと抱きかかえ、研究所へと歩いていった。


「例の、持ってきました!」

「おう、ご苦労様。後で工場に持っていくから、外にあるトラックに詰め込んでくれ」

「分かりました!」

外にあるトラック……これのことか……?

それは、あの工場のマークが書かれた大きなトラックだった。

(おいおい嘘だろ……)
立花が驚いたのはトラックの中だ。きっと放り出されたのだろう、ぐちゃぐちゃな状態になっている。

「言っておくけど、これはお前らの為じゃない。お前らが搾乳に大切なだけだからな」
(……って言っても、聞こえる訳ないか)

立花はトラックの上に乗り中学生らを綺麗に揃えた。そして、先ほど連れてきた中学生も綺麗に揃える。その中学生は目を瞑っていたが、微かに涙を流していた。

「ごめんな、少しだけ耐えてくれよ」
立花は中学生に、そう言っておきトラックを降りたのだった。
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