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混浴露天風呂・痴漢ワニに囲まれて
第3章 想い出
海が見えるところに置かれたコンクリート造の長椅子に腰掛けて、茉莉子は景色を眺めていた。

夫が海の上に見える島の名前を息子たちに教えていた。それを息子たちは茉莉子に、

「お母さん、あの島、なんていうか知っている?」

と、今、聞いたばかりの情報で質問してきて、可愛かった息子の顔を想い出して、あんなに可愛かったのに、いつの間にか、親離れというか、反抗期からそのまま、家を出ていった息子たち。

今年のゴールデンウイークは誰も帰省しなかった。夏休みの予定を尋ねても、答えは今のところ、誰からもなかった。

大学生の長男、次男には恋人でもできて、帰省どころではないのかもしれない。そういえば、夫のLINEに、長男、次男から交際中の女の子と撮った写真が送られてきていた。

どうして、わたしではなく、夫なのだろう。悲しかった。夫は、

「男同士だから、誇りたいんだろ」

と、笑っていたけど。息子たちがどんどん遠くに行ってしまう感覚が茉莉子を襲っていた。今は、長男、次男だけど、そのうち、三男、四男も。

みんな結婚して、家庭を築いて、それはそれで嬉しい出来事のはずだけど、そこまで割り切れない茉莉子。

息子達も、SEXしているのかしら…。大学生だし、一人暮らしだし、恋人ができて…。茉莉子自身は学生時代、目立つ存在でもなかったうえに、合コンとかに誘われても、そういうのは苦手だったから、大学卒業まで仲のいい男子はいても、友達止まりだった。

就職して、夫の部下になり、独身だった夫に迫られて、オフィスラブではなく、残業セックス。そして懐妊、結婚。そこから立て続けに6年間で4人を出産。

舅と姑と、その頃は同居していなかった。子供たちも小さく、SEX三昧だった。

子どもが小さくて熱を出して夜、病院に駆け込んだことも再々だった。診察を終え、投薬してもらい、やっとのことで帰宅して、疲れ切っていてもSEXは欠かさないほど、ある意味、あの時期はSEXに狂っていた茉莉子。

それが一段落したのは、息子の成長と、夫の病気だった。夫が42歳の厄年に腰痛に襲われ、休職することとなった時期があった。

以降、回復してもSEXは厳禁の身体になった。
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