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混浴露天風呂・痴漢ワニに囲まれて
第6章 夕食
そう思うと、3人が可愛く見えてきた。心どこかで、息子と同世代とはいえ、男を感じていた茉莉子。当然、警戒はしていた。いくらオバサンだと自覚していても、男性への警戒心はあった。まして、二十歳前後の元気な盛りというか、やりたい盛り。3人に褒められれば、褒められるほど、頭の中の信号が赤色とまではならなくても、黄色の点滅信号くらいだった。

「カレーライスが食べたい」

「ホワイトシチュー」

「そんなの冷凍食品でもあるじゃん。焼き物だよ。焼き物」

「なに言っているんだ。焼き物なら、俺でも焼ける。自分で作れないものがいいって」

「いや、俺は何だっていい。手料理が食べられるなら」

そんなやり取りが続いて、聞いている茉莉子は、楽しかった。そう、息子たちともこんな会話をしたかった。涙が溜まって、3人の顔が滲んだと、同時に、3人を可愛いと思えた。

食べ終わったと判断したのか、仲居がデザートを運んできた。

「楽しそうですね」

と、微笑みながら、70歳代の仲居がアイスクリームを配膳し、食べ終わった皿を片付けていった。

「食べ終わったら、このままにしておいてください」

仲居はそういうと配膳ワゴンを押して戻って行った。入れ替わりで、女将が来て、

「まるで、本当の家族みたいな団欒。楽しそうで話も尽きない感じですね。何か御用の際は、部屋の電話から内線でご連絡ください」

と、挨拶をした。

「今日はありがとうございました。明日もよろしくお願いします」

茉莉子が話すと、微笑んだ女将。頭をさげると、調理場に指図をしに行った。

その後も、茉莉子と3人は、話をしながらアイスクリームをいただいた。
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