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混浴露天風呂・痴漢ワニに囲まれて
第7章 泡盛
だからと言って、問題が解決するわけでもなく、父親が怒るのが怖くて、掃除をして、洗濯をして、家事全般をしながら中学、高校時代を過ごし、大学生になった今も、家事を担っている部分がある征人。

茉莉子の息子の話を聞いて、羨むしかなかった。それなのに、茉莉子に息子たちがとる仕打ちが許せなかった。

「ままならないものですね」

壮介が口を開いた。

「人生、楽しいですか?」

茉莉子の顔を見て、言った。

「俺は、楽しくない」

「Me too!」

「楽しいわけがない」

3人が答えた。茉莉子は黙って、首を左右に振った。

「今日くらいは、楽しくやりましょう」

壮介がそう言うと、空になった茉莉子の湯呑に泡盛を注いだ。茉莉子は微笑んで、それを飲んだ。

そのあと、3人の大学での話、内部進学の話、茉莉子の結婚生活や子育ての話、受験の話。あとは、今の医学生の恋愛事情とか。

話が盛り上がり、久しぶりに笑った茉莉子。

3人も、忌憚なく話をしたのは久しぶり。まして、自分の過去について話すことなど、今までにはなかった。

妙に、親近感と、親密度が高まった4人。時計を見ると午後11時。

アルコールも回り、4人ともが酔っぱらっている状況だった。

「そろそろ、お開きにしましょうか」

と、壮介が話すと、

「そうだな」

「楽しかった」

と、話す将星と征人。茉莉子も、

「そうですね。今日は楽しかったです」

と、答えた。茉莉子の顔は真っ赤で、顔どころか見える肌という肌が染まっていた。

「酔いましたね」

壮介が茉莉子に話すと、

「そうね。20年ぶりだから、酒量がわからないわ」

と、答えた。

「20年ぶりですか…。結婚してから飲んでいなかったですね」

瞬間で計算して壮介が返すと、茉莉子が頷いた。

「これからは、たまに4人で飲みましょう」

将星が話すと、茉莉子が頷いた。

「ここは簡単に片づけますから、茉莉子さんは先に部屋に戻ってください」

征人が言うと、

「わたしが…」

と、征人に言った茉莉子。

「いいですよ。俺たちがやりますから」

壮介が茉莉子の手を握って、引っ張って、階段を登り、茉莉子の部屋まで送って行った、
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