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カワリバンコ
第1章 発端
「クミちゃんならいい……クミちゃんがあのとき熱を出したお陰で、こうしてトモ君と幸せに暮らしているんだから……」

それから私は、リエちゃんに、「私はそんなこと絶対出来ないわ」と何度も断りました。

トモ君も「いやだよ」と言っては困った顔になりました。

しかしリエちゃんは頑として譲りませんでした。

それから、リエちゃんの私とトモ君への説得が始まりました。

「一回だけだから」

「私もずっといままで気にかけてた。このままじゃ、気持ちの整理がつかない」

「おねがい! おねがい!」

私とトモ君はその熱意、勢いに折れました。

私はリエちゃん夫婦への申し訳なさでいっぱいになりながら、実はリエちゃんも悩んでいたことを知り、それでリエちゃんが納得するのならと「わかったわ」と返事をしてしまいました。
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